
リンパ腫とは
犬のリンパ腫は、白血球の一種であるリンパ球ががん化して発生する悪性腫瘍です。発生部位より多中心型、消化器型、その他に分類されます。犬の腫瘍全体の7~24%を占める、最も一般的ながんのひとつです。
症状
・リンパ節が腫れる
・呼吸困難や咳などの呼吸器症状
・元気がない、食欲不振
・慢性的な下痢や嘔吐等の 消化器症状
・食欲不振、体重減少
・腹部の不快感や痛みによる姿勢の変化、腹部の膨満感
発生リスクの高い犬種
ゴールデンレトリーバー、ダックスフント、バセットハウンド、シーズ、など
発生年齢
6ヶ月齢から16歳齢と幅広い範囲で認められますが、一般的には中~高齢(5~11歳齢)のころに発生します。
診断
リンパ節の細胞診や病理診断、X線検査や超音波検査、CT検査、血液検査などを行います。
治療
抗がん剤治療が適応となる場合が多く、胃腸や脾臓にできたリンパ腫の一部では外科的な摘出手術も組み合わせて実施される場合があります。
治療のポイント
早期発見・早期治療が大切
リンパ腫のタイプや性質、全身状態、可能な通院頻度、費用などを考慮して治療方針を選択します。
ナナちゃんのケース
約一年前に「喉と腰にしこりがある。」と来院されました。どちらもリンパ節が腫れていて、細胞診を行った結果、リンパ腫だと判明し、抗癌治療をすることになりました。未治療の場合、平均生存日数が4~6週間の病気ですが、ナナちゃんは、抗癌治療を始めてもうすぐ1年です。このまま問題なければ抗癌治療は一旦終了となります。